6月9日
6月8日
恋人ができると、ひとりでいる時間が、ひとりでいるなあという気分でいっぱいになって、少しつまらなく思えてくる。恋人も何も、一緒にいてくれるかどうかも分からなかったときや、大抵ひとりで夜を過ごしていたときにはたくさん持っていたお気に入りの時間や習慣も、いつの間にかわからなくなっていって―どうしたらいいかわからないときにはいつも聴いていたこの曲を聴いても、そのときの暮らしを思い出すばかりで。ひとりでいたときには、それがお気に入りだということを自分に言い聞かせているような気分だったし、すきなことをしてすきな時間を過ごすときは、いつもさびしさが一緒のような気がしていたけれど―さびしさといつも同時に迫ってきた夏の風景や匂い、なぜだか分からない焦りや妙に凛々しい朝の空気―好きな香水をつけるだけで誰かが自分に気がついてくれるような気がしていた。それでも、誰かと飲むアイスコーヒーは、ひとりで飲むアイスコーヒーよりも美味しくて(彼はホットコーヒーしか飲まなくても)日曜日が好きになった。しあわせは、どんどん私を鈍感にしていくけれど、いずれにしてもさびしいんだから。それでもやっぱり友達はいつもそばにいてくれて、今年も雨の季節がはじまった。
5月29日
自分の容姿のことを考えると本当に嫌になっちゃう。
2月17日
おばさんになっても一緒に居てねとか、ずっとそばに居てねとか、これから先そんなことを思っていくのかと思っていたけれど、案外思わなくなっていくものなんだな。絵を買いたいし、吊るした電気の下でご飯を食べたい。ベッド脇には読書ランプが欲しい。腹が立つこともあるだろうけど、家があって季節があって友達が居たら良い。そう思ったら、焦ることなく毎日を渡っていくだけなんだな、と。好きなことは勉強していこう。それだけだよね。
コンプレックスなんて自分の問題で、友達以外はそれに付き合ってはくれないもの。まあ、お酒なんてやめられないんだし、丁度良く諦めたらいい。
9月20日
明日はどこへ行こう。紙を買いに行って部屋作りをしようかな。部屋ができてきたらかなり落ち着いてきた。
今思い出してみると、夢だったんじゃないか、本当にあったことだったんだろうかって思えることっていっぱいある。そんなことを思い出そうとするとぎゅーっと焦るようなドキドキするような気分になるんだけど——私が笑うことで嫉みや遜りに諦めがつく、そう思ってくれる男の子が居たら良いのに。
7月27日
平凡なカップルの出産と、その9ヶ月後を撮ったテレビ番組を観た。
いつか私も、言うのかなぁ。「赤ちゃんができたの。」
妊娠したら、私は長く入院するらしいけれど、旦那さんや友達が通ってくれたり、歳を取ったママが小言を言いに来たりするんだろうか。元気なのに4、5ヶ月も入院していたら、死ぬほど暇だろうな。旦那は熱心に通ってくれそうもないし。お腹にもうひとり、人間が居ちゃうのなんて全く想像出来ない。だいたい、このチビが臨月でパンパンに膨れたお腹を抱えているのを想像したらメチャメチャ面白いじゃないか。面白い以外の何でもない。もしもこの先出産する機会があったら、毎日笑われるに違いない。看護師さんにも、「橋本さん、お腹の方が大きいですねー」とか言われてさ(よくよく考えると、結婚していたら橋本さんじゃないかもしれないってこと)。
こども、小さいうちは可愛いけれどそりゃあまぁ大変だよね。土日だけやたら赤ちゃんに構う旦那に、何よ、暇なときだけ可愛がって!!!とか言って、ムカつくんだろうなぁ。
この先、どんな風になるのかは分からないし、もちろんこんなことは想像に過ぎないけれど。ともかく、七海の出産には、皆で立ち会いたいよね。